【生徒作品】中村美奈 11歳

「ミラノの日本人女性」

年に5、6回、私の姉はローマから手紙を書いてくる。私は今、32歳で日本の千葉県の松戸に一人で住んでいるが、私の姉は今ローマに住んでいてもう6年になる。そしてまた今日、姉から手紙が来た。その手紙にはローマへ引っ越してこないかという内容が書いてあった。私はローマに行ったことはあったが、イタリアへ引っ越すなんて現実的には考えることができなかった。しかし姉からの誘いはこれが何度目かになっていたので、私は一度下見をするという目的でローマを訪れることにした。

2ヶ月後、姉を訪ねてローマのレオナルド・ダ・ヴィンチ空港へ降り立った。しかし私はうっかりしていて、空港について電車に乗って私の姉の家まで行こうと思っていたら、その電車の中で寝てしまい、起きた時はミラノへ向かっていた。だから慌ててミラノ駅で降りたが、その日はもうローマ行きの電車は一本もなかったので、その日はミラノで過ごすことにした。この、よく知らないミラノという街を私は歩いていた。モダンな街並みは少し東京を思い出させるところもあった。カテドラルなどを見て回っていたら、ミラノと私は何か特別なコネクションを感じた。この街はモダンだったが、ずっと昔から時間が止まっているようなところもあり、そこになんだか古い魂のようなものを感じた。私はミラノにいるのが私の使命であるように感じた。だからこの旅行の1週間の中6日はミラノで過ごした。そして最後の日だけローマに行くことにした。

 

私はその後、引き寄せられるようにしてミラノに引っ越し、イタリア語を勉強し、小さなお店を開いた。私は、皮や紙を結びつけて作ったノートや、インクのペンや、いろいろな種類の木を組み合わせてデザインを作った木の入れ物や、パンやお菓子まで、すべてを自分で手作りした。その店は、私の故郷の松戸にあった私のお気に入りの店を少しイメージして作った。

日本人のセンスがミラノで受けたのか、お客さんがお客さんを呼んできてくれるようになり、店はうまく行った。

私はミラノにいる日本人だから、私が育った日本文化や、私の故郷松戸という場所で育ててきたものと、私が感じたミラノらしさなどを、私が作る1つ1つのものへ入れる。私の魂とミラノの魂が1つに重なった時、他の誰にも作れない良いものが作れるのだ。