【生徒作品】 中村 美奈 11歳

「物語を書く;岩から作った絵の具で絵を描く人」

編集者の藤原さんは、彼の友達の知り合いの、岩絵の具を使って絵を作る画家の千住博氏と、ある日一緒に食事した。彼の作品をこの前美術館で見てみたら、とても自然そのもののように描かれた滝の絵があり、その水の表現がものすごくうまく表されていたから、その絵にクギづけになったのだ。彼の友達で千住博さんと知り合いだという人がいたのでさっそく連絡をとった。聞きたいことがたくさんあった。

 

実際に会ってみたら、千住さんは、厳粛で、色々なものを見るごとに何か考えているような人だった。彼に、なぜ岩の絵の具を使うのかと聞いて見たら彼はこう答えた。「岩の絵の具は、石油の絵の具にはない、色と見た目があって、滝など自然の景色を書く時に岩具で書くとより芸術的な絵が生まれます。人間が最初に作った絵の具は、いわを潰して油と混ぜて作ったもので、その時から、絵の具が生まれた。ほとんどの人は、人工的に作った絵の具の方が使いやすいといってそれで描くが、自然は自然のものをつかって描くというのが私にとって美しく感じたのです。」

 

レストランでは窓があいていたので、食事をしていると、小鳥が室内に入ってきた。それを見た藤原さんはおどろいて、お茶をこぼしてしまった。しかし、その真正面に座っていた千住博さんは嬉しそうに鳥を見つめ、顔が明るくなり、落ち着いて小鳥の行方をながめて楽しんでいた。

その鳥は、顔を色々なところへぶつけながら、暴れて出口を探していた。

レストランの人が慌てて長い棒を持ってきて、鳥を追い出そうとしたり、捕まえようとしたりしたが、千住さんは

「無理においださなくても、そのうち自分から出口を見つけて出ていくでしょう。鳥は僕たちが思うよりもりこうなんです。」と言った。

そのうち、ただ大きな音を立てながら、小鳥は窓をみつけて遠くの空へと飛んでいった。

藤原さんは「この人は普通の人とは何か違うな」と思った。