【生徒作品】筒井桜 10歳

【生徒作品】筒井桜 10歳

「アルマーニの制服を着て、小学校に通っていた子供が、ブランドを着る人間だから素晴らしいと思い込んで、自分の人生を間違えてしまった話」

 僕は今日、なぜか分からないが4時40分にいきなり起きた。きっとまた変な夢を見たんだと思いこみながら、僕はまたベットに寝っ転がり眠ろうとした。けれどなかなか、ねれなかった。そして目を閉じたら、思い出したのだ。昨日の夢を。
 この夢は僕の親友のゆうきの夢だった。一昨日も見た夢だった。僕は今度こそ夢を忘れないように、自分のノートブックに残しておこうと思って、カバンの中から真っ黒のノートブックを取り出して、素早く書き始めた。
  「2016年4月6日  
 ゆうきは銀座にある小学校に入って昨日、(4月6日)に入学式を行なった。彼はその日に僕の家にきて、彼の制服を見せてくれた。ゆうきはこんなことを言っていた。
 「お母さんが昨日、アルマーニに行ってこの制服を買ってきてくれたんだ。高級ブランドなんだぜ。お前のは?」
 僕はいうことがなかったので、急いで言った。
 「忘れちゃった。」
 ゆうきは僕が言ったことを理解しなかったように、こっちを見た。彼はそして威張って、言った。
 「あっ、そうか。お前の学校では制服なんか、ないんでしょ。おれの学校はかっこいい制服を着るんだ。お前が今、着ているTシャツのようなのは着ないんだ。」
  僕は何をするかが分からなくなった。けれどとにかく、この部屋から出ていきたくなった。なので僕は嘘をついた。
 「ちょっと、友達と約束していることがあるから公園にいかないといけないんだ。じゃあ、またね。」
 僕は自分の部屋から出て、お母さんに何も言わないで外へ出て走り始めた。僕はどこに行くかは分からなかった。ただ走り続けた。僕は息が止まりそうになった時にやっと、僕の家から車で行けば10分くらいのところにあった巨大な公園についた。僕は野原のど真ん中に座った。
 僕は何をするかも分からなかった。なぜここまで走ってきたのかも分からなかった。」
 僕はそこまでしか覚えていなかった。それでもこれは一昨日の夢だった。昨日の夢は確かこの話のつづきだった。僕は覚えているところまで書こうと思ってまた、書き始めた。
 「2016年1月12日 
 僕はいつも通りに6時45分に起きて、学校の準備をし始めた。毎日のように近所の友達と一緒に学校まで歩いて行った。学校でも毎日と一緒で、変わっていることもなかった。学校から帰って来て、僕は自分の部屋に行った。すると僕のお母さんがキッチンから僕を呼んだ。
 「しょう!ちょっと来て!」
 僕は急いで1階へ行った。そうすると僕はお母さんが電話でだれかと話しているのが聞こえた。僕はお母さんがいたキッチンに行った。お母さんは電話を僕に渡した。僕はお母さんに聞いた。
 「誰?」
 お母さんは小さな声で答えた。
 「ゆうきくんだよ。」
 僕はびっくりして、「え!」と言ってしまった。僕は自分の部屋に走って行った。そして話し始めた。
 「もしもし。しょうです。」
 すると向こうから、大きな声でゆうきが叫び始めた。
 「久しぶり!!長い間、会っていないね。しょう、僕、お前に言いたいことがあるんだ。なんと、2年生になると僕の学校では帽子が変わるんだって!」
 僕はもう、ゆうきの制服のことは話したくなかった。なので電話を切った。僕が1階に降りて来たら、お母さんが聞いた。
 「あら、珍しいわね。前は1時間も一緒に話していたのに。」
 「なんかゆうきもサッカーの練習があったことを忘れていたみたいで。」
 お母さんは不思議な顔をして、僕の顔を見ていた。」
 そしてそれが昨日の夢だった。僕はこの話をノートブックに書き込んでいて、気付いたことがあった。この夢は現実で本当に起こったことと、似ていた。僕は今はもう21歳で、ゆうきに、何が起きたのかは分からなかった。僕はそれが気になって、17年ぶりに、彼に電話してみた。そしたらなんと、彼はこたえてくれたのだ。
 「もしもし、沼村しょうです。」
 そうするとゆうきがしゃべり始めた。
 「しょうじゃないか。17年も、ずっと繋がっていたのに、なんでお前、電話しなかったんだ?」
 「ちょっと忙しくて。」
 「そんな。まあ、おれは新宿のでっかいマンションに住んでるから。ベッドルームは3つあって、トイレは5つ。お前のは?」
 「普通のアパートです。」
 「なんだ。こっちの家みたいにでっかくないんだ。そんな小さいところに住んで、自分の服はどこに置いてるのか?」
 「まあ、とにかくおれの住所は送っとくからな。」
 彼はそう言っただけで電話を切ってしまった。
 僕は初めてわかったんだ。
 「子供の時から、ブランドを着る人間だけが素晴らしいと思い込む人は彼らの人生を間違えてしまうんだ。」