エッセー 「新日本人とは」


エッセー
新日本人とは
篠島 匠人


 新日本人は皆生まれながらの日本人ではない。彼らは皆他の国で生まれ、日本を知り、日本の一員になろうと決意した。生まれた国では「裏切り者」「売国奴」などと呼ばれた。それでも日本に対する情熱は忘れなかった。日本を好きになり、日本の未来を憂い、将来の日本はどうなるべきかを真剣に考え、他の日本人と議論する。

 その国の文化を理解し、その国の言葉を理解し、自分がその国の人間なんだと思えたとき、彼らは新日本人となるのである。彼らは日本国籍を持つ日本に生まれた日本人の多くよりも、日本のことを考えているかも知れない。言語についてゲーテはこう説いた。「母語を理解するためには外国語を複数知らなければならない」これは国についても当てはまると思う。「日本という国を理解するためには外国から見た日本観を理解しなければならない」日本人の多くは日本を知るためにわざわざ外国へ出ようとは思わない。だから日本の内部で見た価値観のみが形成されていく。

 その点、外国人はまず他国の視点から日本のことを見ている。日本がどんなに良い国か、どんなところで問題を抱えているかは、日本に関する知識や生き方だけでは理解出来ない。いろんな観点を知っている外国人が日本について論じることが出来るのはこのためである。彼らは新日本人、しかし他の多くよりも真剣に日本国家について考へている日本人である。