小説 「鏡の自分」

小説
鏡の自分
持永れみ


2080年。日本。東京都。

1. プロローグ

 見渡す限り、灰。自然の一かけらも見当たらない。水、草、木、その他の緑も消滅している。地球は現在、真っ暗だ。
 2080年とは、今から69年後の時代。今では、ロボット達が世界を治めていて、人間の人口は、一段と減ってしまった。21世紀の終盤となり、人間の力とは不必要となった。すべてはロボットが政治、経済、ニュースなどを支配しており、ホトンドの人間はカットされてしまった。未来には残るといわれてる精神科医や芸術家も、他の人々がいない限り成り立ってない。数十年の間に、絶望を感じた人間達は、世界で多様な自殺などが行われ、世界の人口はおよそ30人となった。世界中の生き残りは、ロボット達をひどく憎み、東京都を自分達の本拠地とし、ロボット達と戦争におちいている最中だった。
 人間の人口が減る一方で、ロボットの数はかなり増えた。まだ、2020年の頃、人間達の未来の恐れを気づかずに、さまざまな活用ロボットを発明していた。「自分達の役に立ってくれる」と信じて、人間達は、後先考えないで、作っていた。しかし、技術は毎日進んでいった。その中である一人のロボット製作者は、あるミスをおかし、人間滅亡のきっかけを作ってしまった。それは、ロボット達に「意思」を与えてしまった。その後、ロボット達の暴走が始まり、ロボット達の全世界制覇/人間滅亡 の作戦が開始されたのだった。


2. リエ

  あれ……ここは、何処ですか?目をカチャと開けた。硬たい体をジャキっと起き上がり、右左しか動けない鉄の首を動かした。ウイーン。ウイーン。機械の音が部屋に響いた…部屋?そして、回りから二つの声が耳に入った。
 「お~。素晴らしい。これが新たなロボットですか、博士?なんとハイテクな!」
誰?
 「ええ。人間型ロボット第一号、リエだ。このロボットこそ、我々が築いてきたロボットの知恵を全て使用し、改作した最新ロボットさ。知能は人間などより遥かに優れており、運動全般、昔のスポーツ選手の力の十倍の機能が付着。さらに、音楽、料理、そして、人間のすべての行動を何倍によく改造されている。ロボット誕生以来の完全なロボットだ」
ロボット…?何の事ですか?あなた方は、どなたですか?
 「さー、一号。もう一回、睡眠モードだ。後は、最後の仕上げを行い、完璧だ」
誰…?
ガクン!
目の前は、真っ暗となった。

…ッハ!?体をガバッと起き上げた。あれ?さっきと、感じが違いますね。それに、何でしょう、これは?下をむくと、足…なのでしょうか?しかし、ここは?そしたら、ドアがカチャと開いた。そしたら、
 「一号。目覚めたか」
と、いきなり声がした。振り向くと、四角い鉄の体を持った機械が喋った。
 「あなたは?」
 「私は、ラル。お前の改造を手伝ったロボットさ」
改造?
 「最近のロボット技術を使用し、最強ロボットなのさ。そして、それがお前、一号・リエ」
リエ…でも…
 「ロボット?私には足…みたいな物体が?」
 「それは、お前の仮の人間の姿だ。本当の人間の改造は少々時間がかかる」
 「そう…ですか。だがー」
 「質問はこれまででいいだろう!」
ラルは、怒鳴った。
 「お前には、使命がある。そのために、博士がわざわざ改造してあげたのさ。お前は今日から人間のフリを行い、人間達の本境地、東京へ向かえ。そして、残りの人間全類、殺せ」
 「殺す…?何故?」
 「人間などこの世界にはいらないからだ!いいか…?人間を憎め!アイツらなど不必要だ!消滅しなければならない。分かったか…?」
よく分からないが、この方は、自分をつくって下さった。上の者は、従うべきですね。
 「はい、ラル」
 「ラル様だ。お前のこのミッションの上司だ。敬意を持て」
 「はい、ラル様」
 「よし、もう行け。失敗などするなよ。それと、自分を示す時は、『自分』ではなく、『私』と言え。一応、外見は幼い女子だ。他の人間情報は、体にインプットされてある」
ベッドから立ち上がり、筋肉を初めて感じた。そして、部屋を出る間際に、ラル様は、言った。
 「もう一つ。お前のその仮の体は、168時間、つまり7日間しかもたない。タイムリミットを越えると、体が水と溶けて、お前は消滅する。それまでに、使命を果たせ」
私はうなずき、ドアから飛び出た。

3. アイ

  外を見た。ワイヤーの焦げた後、鉄のパーツの散らかし。さまざまなゴミが落ちてた。窓をガラと開けると、硫黄の臭いがアタシの鼻を占領し、突然の吐き気がアタシを襲った。窓をそのままピタと閉めると、外からまた同じ声を聞こえた。戦士たちの苦難の叫び。そして、ロボット達の爆発音。アタシはとっさに耳を押さえて、そのまましゃがみこんでしまった。
  外の状況が収まり、アタシはまたすっと立ち上がった。こんな所で、怯えてる場合じゃない!早く会議に出て、作戦を考えなくちゃ!アタシは駆け足でそのまま会議室へと向かった。
  会議室とは、アタシの家族、30人ほどで行う話し合い室だ。「家族」といっても、皆、全世界から来た人間の生き残り達なんだ。だから、皆とはホトンド血は繋がってなく、いろいろな人種や年代の人たちがいる。だけど、彼らもアタシ同様、このロボット達の戦争以来、大勢の家族や友人を無くしている。アタシの場合、東京都出身だけど、研究者のママとパパはこの戦争で5年前から行方不明で、もう死亡したと聞いている。そんな中、一人残されたアタシを拾ってくれたのは、この人間チームのトップで、長老である、樹じーちゃんだった。じーちゃんは、心の広いお方で、アタシもすごく尊敬してるの!その他、アタシもいろいろな人々と出会い、深い絆を深めてきたんだ。得に仲がいいのは、3歳したのココロ。ココロは、7歳でブラジル出身であり、ブラジルで唯一残ってた人だったんだ。泣き虫だけど、アタシは実の妹のように可愛がっている。そして、この30人の内、アタシ、ココロ、優にい、とアユーシ君が唯一、この世界で残っている子供達なんだ。
 そして、アタシが会議室の席を座った途端、会議は始まった。樹じーちゃんは、2050年の発明品、全世界通訳デバイスを手に持って、立ち上がり、語った。
 「まず、最初に我らのために、亡くなっていた仲間たちに祈りを……それでは、会議を始める…我ら、人類も日々滅亡している。ロボット達の思惑どおりのなってきておる。しかし、我らは、こんな事では負けていられない。だからこそ、戦うのだ!」
 「そうだ!」
 「今度は俺が戦いに行くぜ!」
 「行くぞ~」
と、会議室の中での奇声が響いた。しかし、アタシは納得できなかった。だから、自分が作った案を言ってみた。バン!と硬い銀のテーブルを強く叩いた。アタシは、立ち上がって、強くいった、
 「戦争、する必要はあるの?アタシは戦争が嫌い!アタシ達の家族はもちろん、ロボット達が傷つくところはもう見たくない!仲直りは出来ないの?」
いっきに、部屋の声は静まり、皆の目はアタシに向いた。そして、長老へと顔を向けた。樹じーちゃんは、一瞬考えた。でも、申し訳なさそうに言った、
 「アイ…そうはいかないのだよ。ロボットとの戦争は長く続きすぎた。我々はそれを止められない。話し合いで解決したいが、我々とロボットの唯一の会話は戦場で戦う事なんだ。仕方の無いことだ」
 「そんな…」
 「実にいい案だが、先祖達が行っていれば、今は違ってたかもしれない。スマンな、アイ。分かってくれ」
アタシはじーちゃんの顔を見た。申し訳ない顔に対して、アタシは反論できなかった。
 「はい、長老、」
と従い、ショボンと座った。
 「確かに、それはできん。でも、まだ希望はある!我らに新たな仲間が今日から増える!」
と、アタシたちに語った。
部屋の中は一斉にザワザワし始めた。
 「静かに!喜びなさい。戦士が増えるのだ」
アタシ達は不安と喜びを胸にしまい、新たな仲間の到来を待った。

4. リエ

  ドアを飛び出して、私は本拠地へ向かいました。「外」を初めて実感しました。ここが、「世界」なのですね。こんな汚染された空気や暗い風景が、世界ですか? ! それより、本拠地を見つけなければならない!使命を果たさなくては、いけない!確か…ナビプログラムがインプットされてたはずです。指をゆっくりと動かし、腹の真ん中にあるプロブラムボタンをピッと押しました。そしたら、見ていた風景からスライドショーのようにカチャと私の見る物は変わりました。これは…地図?のような画像が私の視界のすべてになってしまった。ピコ、パコ、ピコ、パコ。その他に、時速、現在地、目的地などのさまざまな情報が頭に流れてきました。私は自分の「力」に驚いてしまいました。
  そのまま、地図を辿っていきました。ある地点に到来してから、私の地図の視界は急変し、元の人間としての目へと戻ったのが分かりました。そして、私の目の前に建ってたのは、ドームでした…。しかも、それは巨大ドームだと、発見しました。そしたら、再び私の視界は変わり、今度はドームの情報が頭に流れ込んできました。 
「名前―東京ドーム。20世紀に建てられた球戯場。ライブなどでのステージも使用。高さーおよそ???メートル。??キロ。ドアは、真正面にある」
情報スクリーンは同じパターンのように、普通に戻りました。そして、私はドアを発見し、中へと入りました。そしたら、
 「来たぞ!新たな仲間だ!」
 「へ?へ?誰?誰?」
と、人間達の叫びがドームの中へと響いた。これがラル様のお嫌いな人間達ですか. . ?確かに、五月蝿いですね…。そしたら、自動的に視界がチェンジしました。今度は、
「人間の初めの挨拶―この言葉通り話す事。
はじめまして。リエと申します。よろしくお願いします」
私は最初、スッと立ち上がり、言葉を繰り返しました。
 「はじめまして。リエと申します。よろしくお願いします」
一応ニコッと笑い、お辞儀をしました。そしたら、
 「ようこそ!嬉しいよ!」
 「新たな家族だ!」
 「今度は、幼い女子だ。子供が増えた!」
と、奇声が上がった。確かに、人間達は冷静ではないですね。そんな事を考えている内に、後ろから声がした。
 「ようこそ、リエ。我は、ここの長老で、人間リーダーである、樹だ。お前は今日から我らの家族一員で、人間戦士へと成長させる」
私は、ペコっと頭を下げました。リエ?誰もそうとは、呼びませんでした。続いて、私は、
 「人―じゃなくて、ここにいる人達で全員ですか?長老…サマ?」
 「ハハハ。様は、大げさじゃ。樹じーちゃんでいいぞ。ここにいる人達は、半分くらいだぞ。後は皆、生活室にいる。そして、全員、お前の新たな家族だ。もう一人じゃないぞ。もう大丈夫だ」
そう仰いながら、樹じーちゃんは私の頭を撫でてくれました。まるで自分の孫のように。
 「一人で大変だったな。でも、ここに入った限り、新しい友達もできるぞ。そうじゃ!お前と気が合いそうな奴に紹介するぞ。きっと仲よくなれさ」
そう暖かく私に笑顔をだしてくれた。本当に一人ぼっちだった子供を慰めるように、私に接してくれたようでした。それに、仲良く…とは何でしょう?あれ?プログラムが開きません。ということは、インプットされていない情報ですね…
 「あの…仲良くとは、何ですか?」
樹じーちゃんは、顔をきょとんして、私をジトーと眺めました。そしたら、いきなり大笑いしながら、
 「不思議な子だな!アハ!しかし、仲よくの意味を知らないのなら、自分で経験して、学べるだろう。お前はまだ幼いし、すぐに分かるだろう。あ!アイじゃ!お~い!新しい子が来たぞ!」
そしたら、マジぇンタ色のシャツとアーミーパンツをはいていて、白い透き通るようなリボンをつけていた女の子が振り返りました。私を見た途端、唇がグリっと上がり、私にとびっきりの笑顔をみしてくれました。
 「樹じーちゃん!その子なの?新しい子って?すごく可愛いくて、良さそうな子じゃん!」
と、私を見てそう発言した。外見で中身を決めるとは、人間とは未熟ですね。そしたら、アイさんは、続けて、
 「アタシは、アイ!10歳です。よろしくね!お名前は?年齢は?」
そしたら、また「自己紹介会話」が頭の中へと流れてきて、私は再び同じ言葉を同じトーンで繰り返しました。
 「はじめして。リエと申します。よろしくお願いします」
さらに、
 「年齢は、10歳です」
と、一応、情報に書いてあったことも付け加えました。
 「…礼儀正しいね……でも!皆、家族だから、そんなに堅苦しくしなくていいんだよ!皆、誰に対してもタメ口なんだから!」
と、軽く笑い、私にそう教えてくれました。あれ?またプログラムが反応しません。どうやら、人間達の知識や文化はロボット達以上ですね。
 「あの…家族って、何ですか?」
そしたら、アイも不思議そうに見ました。しまった!ラル様のように、彼女も私に知らない事があれば、怒ってし――
 「え?知らないの!あははは!面白い子だね!あのね、家族は、自分にとって大事な人達、かけがえのない人達だよ。そして、何より家族とは深い絆で結ばれてるから、いつも一緒なんだ!」
彼女は、怒りませんでした。怒りのかけらなど見せてません。それどころが、何か喜んでいる様子です。ロボットなら、知らない事があれば、おそらくラル様みたいに、他を侮辱するのだろう。でも、アイさんは、違いますね…それとも人間とは、こういう不思議な生き物なのですか…?ハッ!違います!この者達は、この世界にはふさわしくない!早く消滅させて、使命をはたさなければ!そういえば、人間の多様な情報がプログラムに存在してました!そのまま、プログラムモードになると、情報が流れてきました。
「人間とは、褒められると、調子にのる単純な動物。褒めて、いい印象を与えれば、簡単に人間の行動が分かり、攻撃しやすくなる」なるほど。それでは、
 「アイさん。優しい方なのですね。私も憧れます。どうやったら、そう“作り上がるんですか”?」
 「ありがとう!後、アイって、呼び捨てでいいよ!」
あれ?ありがとう?予想していた事と違います。もっとヘラヘラするのでは?
 「それに、優しさは作るモノじゃなくて、出来ちゃうモノなんだよ。アタシが優しいとは言いがたいけど、優しさもそんな簡単にできるんじゃないんだよ。リエは、本当に面白いね!」
再びあの眩しい笑顔を私に見させてくれました。何故、この方達は、プログラムにない言語やその意味をご存知なのですか?ラル様のお話だと、もっと知能が低く、下品な生物達とお聞きしているのに…何故なのだろう…?
 「そうだ!他の子供達にも紹介しなきゃ!あれ?樹じーちゃんは?今までいたのに…ま!いいや!とりあえず行こう!」
そうやって、私の偽の手をとり、そのまま走っていきました。私は、その不思議な暖かさに戸惑いを感じながら、強引に連れられた手を何故か振り払う事ができなく、一緒に走ってしまった。

5. アイ

  リエの手は冷たかった。とても人間の体温ではないみたいに。アタシは、ギュっとリエの手を強く握り締めた。そして、アタシは、リエに不思議な親近感を会った瞬間から感じてた。何故だか、分からないけど…なんかアタシの事を誰よりも分かってくれるようが気がしてるの。でも、この感覚を確かめなきゃ!
 「あ!着いたよ、ここが生活室なんだ。あのね、生活室って、アタシ達30人がここ暮らしてるの。生活室には、それぞれ年齢で、部屋が分かれてるんだ。リエは、アタシと同じ子供だから、アタシと同じ部屋なんだよ!他にも3人いるんだけど、入ったら紹介するね!」
リエは何も言わなく、ただ無表情でうなずき、部屋に入った。そしたら、突然バーンとした音が響いた。
 「リエちゃん!ようこそ!歓迎するよ~、ココロです。よろしくね!」
ココロがいきなりそう叫べながら、リエに抱きついてきた。
 「ちょっと、ココロ!いきなり失礼でしょ!リエが困るわ…よ」
リエはただココロを眺めて、何も言わなかった。困った事もなく、喜びも見せず、ただココロを見たことのない生物のように見ていた。
 「あ、ごめんなさい。でも、嬉しかったの!ココロもこれでお友達がまた増えるんだね!たくさんココロと遊んでね!ここって、けっこうおもしろー」
 「五月蝿い、ココロ!!お前は静かにはできないのか!ここは、遊び場じゃないんだぞ。戦争の真っ最中で、のんきになるな!もっと冷静になれ!」
いきなり、優にいの怒鳴り声が後ろから聞こえた。優にいはソファーの上でさまざまな本を読んでいた。「戦士の志」、「自分の覚悟」、「ロボット滅亡の説明」などの難しい本をまた読んでた。優にいは、この子供部屋の最年長の17歳。そして、優にいも一年経つと、戦士として戦争に出なきゃいけない任務が与えられてる。
 「ごめんなさい、ヒック…優にい。アタシはただ…」
ココロは、そして、また大声で泣き出した。アタシはココロをゆすりながら、
 「優にい!そんなに叱らなくてもいいんじゃない?ココロだって、ただリエには心地欲するためにしたことじゃない!それに、新しい子が入ってくると、恒例の歓迎会じゃない!優にいだって、昔は協力してたじゃん!」
優にいは、アタシを睨み返し、こういった。
 「お前…もう10歳だろ。いいかげん大人になれ。こんなトコで歓迎会するくらいの余裕が俺達にあると思うか?外の状況はお前も十分知ってるだろう?俺達人間は、この40年間、ホトンドロボット達に殺され、もう30人しか残っていないんだぞ!このまま、続けば、確実に!人間は、滅亡するぞ」
 「でも、それは!」
 「あと。お前、会議の時、おかしなこと言ってたな。戦争をやめる?戦わない?など、それに、ロボットと……人間が仲良く!?平和主義にもほどがあるぞ!そんなありえない事行ってる暇があるなら、そのリエって奴と一緒に剣の練習でもしてろ!」
そのまま、優にいは、本を叩き捨てて、部屋のドアをガシャンと閉めた。アタシはただ、ロボット達と人間に一番傷つかない方法を考えてだけなのに…
 「あの…あの人はどなたですか?」
と、平然してたリエが聞き出して、アタシは、慌てて答えた、
 「優にいは、17歳で、アタシ達の中で一番年上で、子供部屋のリーダーみたいな人なんだ。他に12歳のアユー君もいるんだけど、今は居ないみたい…なんか、入ってきた途端、こんなんで、ごめんね…」
 「あ、別に。気にしてません。私は、ちょっとこのドームの他のところを見ていきますね」
 「あ…うん。気をつけてね」
リエはそう言いながら、部屋を出た。本当に疑問に思う。何故、あんなに無表情で無関心なんだろう?すごく不思議な子だし。とても同い年には思えない。それに、一番疑問なのが、何故、アタシがリエの事、身近に思えたんだろう…?気のせいかな?

6. リエ

  人間なんてすぐに感情丸出しですね。確かにイラついてます。これはもう、一揆に片付けた方がいいです。さっそく、ドームの情報や人間達の情報をインプットしましょう……あ!アイです。早くプログラムを消さなければ!
 「リエ!もうご飯ができるんだけど…どうする?まだいる?」
ピっと、自分のプログラムを消しました。なんとかバレずにすみました。
 「そうですか?すぐに行きます。先に行ってて下さい」
 「え?でも…道に迷うよ?」
 「いえ、先ほど食堂が見えたので。食堂で食べるのですね?」
人間とは、食堂という所で食べるとプログラムに書いてありました。間違いないでしょう、と私は得意げに思いました。
 「あ……うん。分かった。じゃ、先に行ってるね」
タタタとアイは走っていきました…本当に考えてないのですね。なんでもない所で走ると、無駄に体力を消耗します。しかし、彼女達も考えてないわりには、私達ロボットの知識にない事を知っている。仲良く。家族。ありがとう。そして、すべては、私の辞典には、のっていない。この言葉は、はたして不必要なんですか?そのような事を考えてる時、いきなりプログラムからホログラムが私の目の前に写しだされました。そしたら、見覚えのあるロボットが私に話しかけました、
 「一号。どうかね?調子は?」
と私に聞きだしました。ラル様ではない。確か…
 「博士…ですよね?ラル様からお聞きしています。私を改造してくださった博士だと。しかし、あなたは人間の形をしています。私が初めての人間型ロボットでは?」
 「あー。それは、私は実際人間だからだよ。私はロボット達の味方なのさ。そして、ロボットは、作られた時、私をとても感謝するようになっている。お前も作りたての頃は、そうであろう?それは、お前のロボットとしての最初の『意思』だ」
博士は、そう私に説明しました。ラル様と違って、暴言も言いません。そして、何より人間なのに、感情を丸出しにしません。ラル様は例え、ロボットであっても、すごい怒りを私にぶつけていました。しかし、このお方は、そのような様子もなく、ただ事実を語る人なのですね。すごい方だ。
 「はい。私も作りたての頃、あなたの存在はご存知では、ありませんでした。しかし、ラル様からお話を聞いた時、あなた様にとても感謝したいとすぐに思いました。改めて、私を造って下さって、ありがとうございました」
そうやって、ペコッと頭を下げました。顔を見上げると、博士は無表情のまま、こう言った。
 「そうか。それより、調子はどうだ?使命の方は?人間を全滅に出来るか?」
 「え…あ、はい。とりあえず、人間を褒めて、スキを与えるようにしてます。私の事をよく思えば、油断するでしょう。その時に…と考えています」
何故かその時、私はとある変なことに気づきました。この体に染み入るとある何かが私のすべてを占領しました。これは、何でしょう…?
 「流石だな。普通のロボットよりなんかとかなり優秀だな。その様子だと何故他の人間が不必要なのか分かってるんだな」
 「はい。人間とは、単純で、考えなしの生物達です。とても低レベルで、本当に地球にはいらない者達です」
まただ!また変なモノが!あれ?なんで私、言葉遣いが違う!いつもなら敬語なのに!
 「どうした、一号?なんか体に異変か??なんだ!?どうした!?」
混乱してきた。何で!?何でこんなモノが体に感じるんだろう?私は立ち上がろうとしたが、そのままドサッと倒れた。
 「博士…どうしたら…?」
ゲホゲホゲホ。いきなり咳きをしだした。
 「何だ!?システムの故障か?おい!一号、答えろ!」
博士…なんだか目を暗くなってきた。どうしたらいいのでしょう?どうしたら…?
もう駄目だ…
 「おい!一号!一号!答えるんだ」
博士の言葉がかすかに聞こえた。そして『一号』と呼ぶ時、私はまた何故かあの感触がまた体中に広まった…何故?どうして? そう思いながら、私は気を失った、

 「リエ!大丈夫か?目を覚ますのだ!リエ!」
必死に呼ぶ声。
 「リエちゃん!リエちゃん!」
涙いっぱいで呼ぶ声。
 「おい、リエ!目を覚ませ!リエ!」
命令口調だが、何故か心配そうに呼ぶ声。
 「リエ!リエ!リエ!リエってば!どうしたの?目を覚まして!ね?」
すがりつくように、私の名前を呼ぶ声。誰?呼んでるのは、誰?私は、パカと、目を開いた。そしたら、
 「リエ!大丈夫だったんだね!良かった~」
 「リエちゃん!目を覚ました!」
 「良かった。実に良かった」
アイ?ココロちゃん?長老?
 「ここは?」
私はムクリと起き上がり、筋肉をのばした。指も作動する。
 「リエ。ここは、救急所だ。憶えてるか?お前が倒れていて、優に運んでもらったのさ。しかし、お前が丸一日、目を覚まさなかったから、とても心配したぞ。顔も青ざめてきて、本当にびっくりしたぞ。でも、無事で何よりだ」
と、樹じーちゃんは言った。そうだったんだ…。私はそのまま立ち上がろうとしたら、アイに止められた。
 「何してるの?ベッドで寝てて!リエはちゃんと休養するの!」
 「大丈夫…」
そしたら、また私の体を無理やり寝かせられた。
 「駄目!まだ顔色悪いし、ちゃんと寝てて!」
私を叱るように言った。
 「ウム。そうするがいい。リエ、無理をすると良くないぞ。今日はそのままベッドにいなさい。食事は後で持ってくる。さ、皆、行くぞ。あ。でも、アイは残ってなさい。リエに付き添いなさい」
 「うん!分かった。先行ってて!」
そうゾロゾロと三人は歩きだし、救急所のドアから出た。そしたら、
 「あとで『ありがとう』言おうね」
と、突然アイは、きりだした。
 「ありがとう?」
 「うん。ありがとう、優にいに。運んでくれたから。優にいはアタシ達に厳しいけど、誰よりも家族を大切にしてると思うんだ。だから、リエが倒れた時、仲間がいなくなっちゃうと思って、ものすごく焦ったと思うんだ。リエもあんな態度で接されたら、誤解するかもしれないけど…優にいは、本当に名前どおり、優しい人なんだよ、本当は。ただ、戦争がずっと続いてるから、優にいもピリピリしてるんだと思う。それに、助けてもらえば、『ありがとう』というのは、普通だよ」
 「そうなの?でも、『ありがとう』って、なんかして貰って、言うんでしょ?私は、頼んでない」
 「違うよ!!!」
いきなりアイは思いっきり怒鳴りだした。
 「『ありがとう』は、そんな甘い言葉じゃないの!頼んでも、頼まなくても、助けてもらったら、お礼を言うの!分かった!?」
私は、その時、口調はラル様と似てるけど、言い方は違うと思った。なんだかアイが言うと、ラル様みたいに強引に意見を合わせるのではなく、彼女は本当に分かってもらいたい、とそんな感じをした。本当に自分の間違いが分かるような厳しいけど、誠実な言い方。
 「そうなんだ。ごめんなさい」
 「え?あ、いや。アタシもいきなり怒鳴ったりして、ごめんね」
アイは、きっと人間の「気持ち」などに詳しいお方なんだろう。だったら…
 「アイ、あのさ…」
 「え?何?お水?お腹空いた?」
 「そうじゃなくて、質問が…あります」
 「何?」
思い切って、私は聞いた。
 「その…なんか人の悪い事を言ってるのに、なんか自分やその人に申し訳ない、と思うことを、なんて言うのかな?」
アイの顔に自分のを向けると、アイはきょとんとしていた。
 「それって、その悪い事を言うと、なんかドーンとした暗い気持ちになって、そんな感じが体にしみる、みたいな感じのこと?」
 「そう!そんな感じ!」
やっぱり、アイは知っている。
 「それはね、『罪悪感』だよ」
 「罪悪感?」
アイは、ニコッと笑った。
 「そう。罪悪感。自分が悪い事をしたと思っている事。つまり、その人の悪口を言ってるのに、本当はそう思ってない事。うそをついていて、なんだか申し訳ない。だから、その人のことは、実際嫌ってないてこと」
私は言葉がでなかった。『実際は、嫌ってない。』つまり、私は、人間の事をー
 「リエ?大丈夫?」
アイの心配そうな声がした。私は慌てた。慌てた?
 「うん。大丈夫」
慌てるなんてことはなかった。ロボットである以上、そんなことはないはずだ。
 「そうだ。もうすぐ夕飯だから、ちょっと食事もってくるね。待ってて!」
そのまま、アイは救急所を出た。何なんだろう、と私は思った。私は人間の事を嫌いじゃない?そんなはずは…しかし……
ピッ!
 「一号」
ハッと気がづくと、ホログラムの博士が再び写しだされた。

7. アイ

  今日は、サバの缶詰か~。けっこういい食事だな~。
  この人間ドームでの食事は主に缶詰の食物と水なの。動物や魚、生モノはもちろん、乳製品とか麦のような自然から作られてた食べ物はもう全然ないんだ。唯一、アタシ達が食べられるのは、缶詰の食べ物や全世界から来たいろいろな腐らない食べ物なんだ。飲み物は、毎日水だけど、水はホトンドないため、水は一日、250mlのペットボトルだけ。もっと欲しい場合は、泥水や他の外にある水も飲料とされるけど、その場合はほとんどない。
  だから、サバの缶詰なんて、アタシ達にとっては、結構豪華。アタシは大喜びなんだ!缶詰二つとペットボトル二つをテーブルに持っていくと、チョーさんとアユーシちゃんが座っていた。チョーさんは、中国で働いてた元電気会社の社長だった。でも、戦争がはじめって以来、経済一番となっていた中国もとうとうロボット達に土地を取られてしまった。チョーさんは、そのままこの人間ドームのことを知って、逃げてきたんだって。チョーさんは中国人だけどアタシは全世界通信デバイスを使わずにすむ数少ない人たちなんだ。チョーさんは、大昔に日本に来日したことがあって、その時から日本語は、結構喋れる。
 「アイ、コンニチワ。リエ、ダイジョウブカ?」
 「チョーさん、こんにちは!リエはね、目も覚まして、もう平気だと思う」
 「ヨカッタあるな」
 「でも、急に倒れたんだよな?重い病気でもあるんじゃね?あと、缶詰ちょっとだけちょうだい」
と、アユーシ君が言った。アユーシ君は、アタシと同じ子部屋の子で、インド出身なの。結構我がままだけど、アタシとは、仲良し。もちろん、アユーシ君とは、デバイスは使うけど。
 「うん。でも、樹じーちゃんのいうには、多分ただの疲れがたまっただけ、って言ってたし。多分大丈夫だよ」
 アタシは、サバを少し渡して、そう説明した。アユーシ君とチョーさんは以外と気が合うらしい。何年か前は、インドと中国は両国とも優秀な人たちが多かったから、よく対立してたらしい。でも、アユーシ君もチョーさんも両方共、頭がいいから気が合う話がたくさんあるんだって。アタシはまだ小さいから、わからないけど。
 「アタシ、食事をリエに持っていくね。じゃ!」
 「ばいばい!」
 「サヨナラ」
アタシは食堂を飛び出して、そのまま救急所へ向かった。ドアを開けようとしたその時、男の人の声が中から聞こえた。そっと、ドアを開けると、リエが誰かと喋ってるのが見えた。誰だろう?アタシ以外に誰かリエの事、見ててくれたのかな?もうちょっと中へのぞくと、聞き覚えのない人の声が聞こえた。
 「よし。機械は壊れていない。異常もないようだ」
誰だろう?壊れるて、何が?
 「はい、博士」
リエだ!博士?リエ、誰と喋ってるの?何の話?
 「一号。お前にはあと六日間もない。早く使命を…?」
 「博士?どうかしました?」
 「お前の体の部分が一部…溶けてるぞ」
 「え?そんなはずは…あ!」
リエは、はいてた紺色のズボンをめくると、足の皮が部分的に溶けていてた。
 「これは!?」
 「どうやら、お前は人間の『気持ち』に接したようだな。お前のその人間の皮は、ロボットの手によって作られている。人間の事や人間の気持ちなど感じ取ったら、その体は自動的に溶けていく。つまり、その人間の皮は、人間の思考にかなり傷つけやすいのだ。それに、皮だけにではなく、お前の体の中のマシンも影響してくる。今のところは、軽傷だが、気をつけろ……だが、お前、もしかして、人間になろうとか、思っていないだろうな?間違っても、人間の気持ちを分かろうとするな。分かろうとしたら、お前が先に消滅するぞ」
 「いいえ。そんなことは、ありません。人間に対しての気持ちは、いまでも変わりません」
何かリエが傷ついてる顔してる。リエ…?どういう事?ロボットって?消滅?アタシは、混乱し始めてた。何の事?
 「そうか。ならいい。どうやら、ただの人間の接触が多すぎたようだな。だから、もうお前の作戦は変更だ。お前の作戦だと、接触が多くなる。お前は今からなるべく人間を避けろ。それがいい。そして、作戦はこうしよう。まず最初に、人間戦士がまた死んだから、人間達はあらたな無駄な人間戦士を送りだすだろう。その時、その本拠地に残る人間達を殺せ。ドームに巨大爆弾を設置しろ。プログラムに後から送信する。分かったな?」
 「はい。了解です」
 「それじゃ、私はこれで。あと、一号」
 「はい」
 「一応言っとく。失敗など許されない。お前は優秀だから、そんな事はないかもしれんが、逆に他の事も気づくと思う。でも、お前はただ人間を殺すの事に集中しろ。他の事はかんがえるな」
 「はい…」
 「それでは、失礼するぞ」
ピっと、ホログラムは消えた。アタシは思わず今日の夕飯を落としてしまった。そしたら、リエがビクっとして、アタシの方に振り向いた。
 「アイ…?いたの?聞いてた?」
こわばった表情でアタシを見つめた。リエがあんな顔するなんて…
 「リエ…聞いてたよ。今の人、誰?…ロボットって?」
そしたら、いきなりリエはピストルを服からだした。それをアタシに向けて、言った。
 「アイ。悪いですけど、あなたには、死んでもらいます。素性がバレタ以上、生かすこは、出来ません」
アタシはいきなりでなんだか状況が分からなかった。じゃ、本当にリエはロボットなの?本当に?でも、リエのさっきの会話からだと…それにさっきアタシに聞いた質問…もしかして…?
 「そうなんだ。うん、殺していいよ。仕方ないものね…」
アタシは、そのまま目を閉じた。一か八か!すると、ピストルのカチャかチャという震える音が聞こえた。そっと目を開けると、リエが…泣いてた。
 「リエ…?」
 「私は人間を殺しにここに来たのです。なのに、アイに武器を向けると、なんだか体にまた違和感感じて、なんだか撃っちゃ駄目て、体が言ってるみたいで…ヒック。でも、使命を果たさなきゃいけない…どうして?撃てないの…?どうして?」
リエは目を涙いっぱいにしてた。やっぱり…
 「リエ」
アタシは、リエに近づきなら、手を彼女に伸ばした。
 「リエ。あなたは、例えロボットでも、中身は人間なんだよ、きっと。リエ。あなたはアタシの友達、家族。アタシの敵じゃない。アタシ、信じてたから、逃げなかったんだ。きっとリエは人を傷つけないことを」
そのまま、アタシはリエを大きな赤ちゃんのようにリエの振るえがおさまるまで強く抱きしめた。

8. リエ

  あの衝撃の日から、数日間経った。私はアイにすべてを話した。アイは怖がらずに私の話を聞いてくれて、私は「嬉しさ」などの感情も憶えた。そしてそれから、アイは私にこう言った。
 「リエ!アタシの目標は人間とロボットの戦争をやめることで、仲良くなってほしいの!もう憎しみなんて見たくない!だから、二人で頑張って、それを達しよう!」
 「うん。そうだね」
それから、アイはいろいろな人間の面白い対策を考えていた。私が全部話して以来、アイとは、「仲良く」なった。これで、「仲良く」の意味がはっきりした。でも、彼女にはすべての真実は言ってなかった。アイは私の体のことを聞いていたらしいが、アタシは誤解だと言っているので、信じている。実際、今日はもう6日目だ。私の体は、ホトンド形をなくてしていて、長袖で隠すのが精一杯だ。それに、あと1日でアタシの体は消滅する。でも、それまでに私はロボットから人間へと変わりたい。この人間ドームで感じたモノは不必要ではない。むしろ、私のようなロボットがとても必要とされることだった。アタシはその事を知った。だから、私の消滅前に博士やラル様や全世界のロボット達に気づいて欲しい。人間達とは、私達、いや、この世界にいなければならに存在だってことを。だから、
 「アイ。あのね…私に対策があるんだ」
 「何?何?」
 「私、一端ロボットのところに戻る。その時、私がロボット達に思い切って説得しに行くよ。それが一番いいと思うんだ」
 「でも、すごく危険じゃん!なら、人間のアタシもー」
 「駄目です!絶対に。私を信じて!『信じる』気持ちが人間の強さなんでしょ?だったら、私を信じて、待ってて。アイ」
私は飛びっきりの笑顔をだした。私も証明したい。彼らに『信じる』事は大事だって。
 「……分かった。アタシ、待ってる。その代わり絶対戻ってきてね!絶対だよ!」
 「うん!じゃ、行って来ます!必ず戻るよ!」
そう言って、私は手を大きく振って、ドアを飛び出た。……ゴメン、アイ。約束破って、ごめんね。
  私はそのまま駆け足でロボット所についた。自動ドアは開いて、ロボット達と博士が待ち伏せていた。彼らは不満そうに私を見た。
 「ドームの爆破ニュースが入ってきてない…という事はお前は、まだ使命を果たしてない。もう一日もないぞ!早く行け!」
と、博士が私を見た途端、いった。でも、私はここでは引き下がらない。
 「博士、ラル様、ロボット達。聞いてください。私は、数少ない人間達を殺すつもりは、ありません」
 「何故だ!?」
 「それは、彼らが必要だからです。人間とは、確かに単純で、愚かな生物です。しかし、彼らには私達のないモノを持っています。それは、『信じる』という気持ちです。私達と人間達が戦争してるのは、何の意味があるのですか?戦争で何の解決が?私達が彼らと戦争している唯一の理由は、ただ信じてないからですよ!」
部屋は一揆に静まった。
 「私達ロボットは、この地球を統一してきた。それは、人間達が怖かったからです!人間達がいつか自分達より良いモノを作成し、自分達を必要とされない日が来るのをロボット達は恐れていたのです。だから、無理やり自分達で世界を統一して、自分達は必要だと言い張ってたんです。でも、それは何年も続き、もともとの趣旨を私達は、忘れていました。そうですよね?だから、わざわざ戦争というやり方で証明したかったんですよね?」
部屋にいるロボット達は皆…泣いてた。あのラル様も。私を笑みをだした。そしたら、私の体も元に戻ってきた。きっと新たな人間に再生できたんだ。やった!これで、わかってくれた。そう思ってたら、いきなり、バン!!
 「何バカなことを言いやがる!?何が信じる気持ちだ!お前達、騙されるな!こんなでたらめなんかに惑わされるな!」
博士は真っ赤な顔を見せ、怒りを丸見えにしていた。
 「博士、あなたは間違っています。そしてあなたの本当の趣旨などお見通しです。あなたは、私達を利用してただけなのです。ただ自分が世界を統一するために私のような有能なロボットを使って、用済みは処分するつもりでしたよね。あなたは、もう人間ではない!もうこんなバカなことをやめてください!元の人間に戻ってください!」
 「黙れ…黙れ。黙れ。黙れ。黙れ!!」
博士はコンパクト爆弾を投げた。バーーーン!!その時、私はふと、白いリボンが見えた。白いリボン……?まさか…!
 「アイ!!アイ!!!!」
私はおみっきり叫んだ。
 「ここだ…よ、リエ」
私は、振り向いた。そこには、顔が傷だらけ、全身ぼろぼろだったアイが倒れていた。
 「アイ!!起きて!アイ!!お願い!アイ!」
私は、アイの体を抱き起こし、すがりつく様に叫んだ。
 「どうして!?どうして、私を庇ったの!!??」
 「アタシ…どうして…もあなたを…助けたかった…あなたは、もう一人の…アタシだから。それに、言い…忘れてた。ゲホゲホゲホ!」
体が冷たくなってきたアイを私は見てられなかった。震えてた。
 「私のせいだ…アイを巻き込んで…もう話さないで!今、救急所に…」
そしたら、アイは私の腕を強く握り締めた。
 「リエのせいじゃないよ…リエ…人間は『許す』ことも大切…なんだよ。人を許す…ことで…ゲホゲホ!人間が成り立っていく。強くなっていく。だから、あの人のことも…許してあげてね…きっと分かってくれる…から」
 「アイ…?何言ってるの?」
そして、あのアイの得意げな眩しい笑顔を私に向けて言った、
 「人間とは、『信じる』事と『許す』が出来るから…ロボット達にも分かって欲しい…リエ、約束して。いつかロボットと人間がお互いを…信じあえる日を作るてことを…」
 「うん!約束するよ…だから…!」
 「じゃ…お願いね…本当に…」
 「駄目!アイ!駄目…」
 「本当にありがとう、リエ」
アイはそのまま笑いながら涙いっぱいの目を永遠と閉じた。

2100年。日本。東京都。
  あの歴代的な日から、20年経った。世界は変わった。辺りは、眩しい自然。透き通る空気。雄大な空。そして、混合の町並み。ロボットと人間が一緒の東京の忙しい町を歩いていた。二つの違う者達は、共に笑ってた。そして、ある少女はお店の窓ガラスを見ていた。そこへ通りかかった人間の女性は、聞いた。
 「何を見てるの?」
その少女が振り向いた。
 「あのね、もう一人の自分を見てるんだ。誰にだって自分に足りないモノや必要とするものがあるでしょ?だから、いつか自分が持ってないモノを持ってる人が現れるんだ。それがもう一人の自分。二人合わせて、一人になるんだ!」
少女はニコッと笑った。
 「アタシは、もう見つけたけど、あなたは?」
 「私は、まだ…かな?そういった人は、いないと思う…?」
 「だったら、早くみつけなきゃ!もう一人の自分がきっともう待ってるよ!」
 「そうなの?」
 「うん!あ…じゃ、これあげる。これで、きっとあなたも見つけられるよ!」
それは、人の涙のように透き通る白いリボンだった。
 「あなたも見つかるといいね!」
そう言いいながら、少女は再生した新たな世界へと走り出していった。