エッセー 「Mother’s milk cowとは」


エッセー
Mother’s milk cowとは
篠島 匠人


 遺伝子組み換えの穀物が農業大国となる手助けとなっているアルゼンチンで、同国に住む科学者が 母乳牛 なるものを創りだしたらしい。これはなんの隠喩でもなかった。Mother’s milk cow、そのままの意味で母乳にちかい牛乳を作り出す牛を「開発」したという。蛋白質の二つに人間の遺伝子を組み替えた。人間の母乳にはこの蛋白質が含まれているが、牛乳には入っていない。

 遺伝子組み換えの食品を何があっても食べないという方針の人間は世界に大勢いる。
遺伝子組み換え食品を食することで私達人間に与える影響はまだ完全にはわかっていない。人間の手によって改造された食品よりも、自然に存在する食品をそのまま食べる方が気分が良い。しかし母乳は話が別だ。母乳は牛乳には含まれない成分がある。つまり牛乳でそれは補えなかった。しかし遺伝子組み換え技術を使うことで新生児にとって必要な成分を牛から確保できるようになった。世界には母乳が出ずに困っている人が大勢いて、そのために粉ミルクなど人工の代替措置もある開発されてきた。我々人間にはものごとを選択する権利がある。そういう意味で選択肢が増えることは悪いことではない。