小説 「サイン盗み」

小説
サイン盗み
府川 耕大


 ゲームセット。シアトルマリナーズがワールドシリーズで優勝した。去年の最多敗戦チームがワールドチャンピオンまでになった。「どうやってマリナーズはいきなり強くなったのだろう」ESPNニュースキャスターのジョンはずっと考えていた。

 昨シーズンのマリナーズはイチローだけが三割を超えていた選手だったが、今シーズンは三割を越えた選手は八人、イチローは四割を超えた。ホームランをたくさん打つ選手も増えたし、投手も良い成績を残した。なぜマリナーズがいきなり強く成れたか。それはマリナーズの関係者しか知らない。マリナーズを支えていたのは一年目のファーストベースコーチの間ノ諜太郎だった。


 間ノ諜太郎は1987 年12月8日に神奈川県藤沢市で生まれた。生まれた時の体重は1000グラムしかなかった。両親はすでに離婚していた。母親は毎日の生活のために15時間働いていた。母親が居ない間、彼は本ばかり読んでいた。そして夜中の12時ごろ、彼が本を開いたまま寝た頃に仕事から帰ってくる。さまざまな本を読みあさり、外で友達とは遊ばなかったので運動は苦手、運動会のかけっこで勝った事は無い。家から出るときはたいてい図書館に行くため。毎年同じような生活をずっと繰り返していた。

 高校を卒業したある日、図書館から一冊の本「イチローイズム」を借りた。一気に読みきり、いきなりイチローに憧れた。野球にも興味を抱いた。体が弱く運動が大の苦手の諜太郎も野球をやってみたくなった。12年間ため続けたおこづかいでミズノのグローブとボールを買い、アパートの壁でボール投げの練習を始めた。図書館にあるすべての野球の本を読み学び始めた。気づくと、日が暮れるまで外で1人ボール投げをしていた。

 春休みを終えて慶応大学に入学した。入ってすぐに野球部に入部した。だが棒のように細い体の間ノ諜太郎は野球がとても下手だった。内野ゴロもぜんぜん取れないし、肩はとても弱い。彼はキャッチボールさえもまともに出来ない。野球部には甲子園で活躍した選手もたくさんいた。監督から退部しろと言われたが野球部に残るために、玉拾い、靴磨き、部室の掃除やユニフォームの洗濯など、いやな仕事を毎日毎日だまって続けた。諜太郎は野球部に居られることが楽しくて幸せだった。諜太郎は監督に雑用の一覧リストを見せ、自分がすべて担当するので部に残してくれと頼み込んだ。監督はしぶしぶ承諾した。

 野球部の練習そして片付けを終え家に帰ると、母親が作っておいてくれた夕飯を食べながら仕事先の母親に電話をかけ今日一日の野球部で習った事をうれしそうに話した。家でも肩が強くなるために筋力トレーニングをするがなかなか強くならない。練習試合ではもちろん選手として出られなかったが、自分はベンチから選手たちを励ました。彼は選手たちを良いムードにして勝利に貢献した。監督は諜太郎に背番号を渡す事は一切考えていなかったが、大会でムードメーカーとして使えると思った。とてもがんばって努力して、秋の大会ではスターティングメンバーに成れなかったがベンチ入りの11人に選ばれた。諜太郎は背番号20を貰い、秋の大会に出場した。

 一回戦の試合で諜太郎は相手チームのサードベースコーチに注目していた。毎回相手が出すサインがなんとなく分かる気がした。ランナーが一塁の時、相手のサードベースコーチを見て盗塁するなと思った。そのとたんランナーは走り始めた。盗塁成功。その後相手がバントサインを出したと思うと、バントした。相手のコーチが出すサインが読めてきた。次は相手がスクイーズプレイのサインを出したと思う。投手が投げたとたん三塁ランナーが走り始める、バッターはバントの構えをする。スクイーズプレイ成功。相手は楽に点を取れた。自分の感は当たった、サインを読む才能を持っているかと考えた。結局試合は慶応大学が勝ってうれしかったが、相手チームサインの事がずっと気になって寝られなかった。

 二回戦の試合ではファーストベースコーチを任された。ファーストでも相手チームの監督がキャッチャーに出すサインもわかる気がした。ストレート、スライダー、カーブどんな玉が来るかもわかる気がした。自分がもし僕が相手のサインがすべてわかったらチームのために役立ち、活躍できると考えた。試合後に監督に伝えに行った。相手のサインがわかると言ったが監督は信じてくれなかった。

 準決勝の三回戦もファーストベースコーチで出場した。試合の前に監督と話をし相手が盗塁のサインを出したときは監督に盗塁サインが出たとサインを送ると決めた。四回の表ノーアウト三球目に相手監督から盗塁のサインが出た。自分の監督に盗塁すると伝えた。ピッチャーはわざと玉をストライクゾーンから外し、キャッチャーは立ちながらボールを取ってセカンドに投げた。盗塁失敗。監督は諜太郎を信じてきた。その後相手がまたバントすると監督にサインを送り三塁手にバントの準備しとけ指示した。投手がボールを投げたとたんバントの構えをしてバントした。けれども三塁手はバントが来る準備をしていたため、アウトに出来た。三回戦も見事に諜太郎のおかげで勝った。

 翌日の練習で監督から呼び出された。監督は諜太郎にさまざま質問をし始めた。なぜ相手のサインが分かる事のか一番気になっていた。諜太郎は相手チームがサインを出すたびに、そのサインを知っている感じがしたと答えた。監督は諜太郎にお前は試合に使える、野球を辞めるな将来はファーストベースコーチとして活躍できると言った。

 大会の決勝戦。慶応大学対早稲田大学。もし勝ったら初優勝、絶対勝たなくてはいけない試合だった。諜太郎もファーストベースコーチとして活躍できるように、試合に集中した。試合が始まって初回から先制点を許してしまった。エースの西村はストライクが入らず、一二三番バッターを四球で歩かせてしまった。ノーアウト満塁4番バッター。4番は初球を振りスタンドに運んだ。満塁ホームラン。その後何度もピンチをしのいだが、選手たちはみんな落ち込んでいた。諜太郎は選手に声をかけたが無視された。9回の表になってもまだ4対0だった。慶応は5点を足らないと優勝できない。何人かの選手はもうあきらめていた。先頭バッターはキャプテン3番の久保。久保もチームのためにヒットを打ちたいが、すぐに2ストライク0ボールとなって追い込まれた。けれど3球目のピッチはど真ん中に来て、フェンス直撃の二塁打を打った。この一打はチームを元気付けた。流れが完全に慶応側に移った。キャプテン久保は盗塁し三塁まで進んだ。4番の松中はホームランを打ち2対4と点差を縮めた。落ち込んでいたベンチもバッターたちに声をかけていた。慶応の応援団たちの声も大きくなってきた。その後2点を追加し同点に出来た。9回の裏はエースが2番バッターを三振で抑えて、1アウトランナーなしでよい成績を出していた。だが次のバッターが三塁打をうちピンチになった。次がパワーヒッターの4番が打席に入ったから、野手はみんな下がった。初球は大振りし、野手はもう少し下がった。ファーストベースコーチの諜太郎はバッターに集中してしまい、相手監督を見ていなかった。3球目にはスクイーズプレイをされた。野手は深く守っていたのでバントに追いつかず、さよなら負けとなり初優勝を逃した。諜太郎は相手チームのスクイーズサインを見逃し責任を感じた。チームの選手たちは諜太郎を攻めなかったが、諜太郎はチームのために役立てなくすまないと感じた。選手もみんな泣いていて、応援団も泣いていた。諜太郎は家に帰った後もずっと独り言を言っていた。もし、もしちゃんと相手監督のサインを見ていたら優勝できたのに。と言いながら布団の中で泣いていた。来年は野球部に入れるかな、明日監督から怒られるかな。とにかくいろんなことを考えていて、全然寝られずに、朝になった。

 起きたらもう12時だった。お母さんは昼ごはんを食べていた。諜太郎は髪の毛がぼさぼさで目に目やにがたまっていた。お母さんは声をかけてくれた。お母さんはすぐにご飯を作って諜太郎の好きな物真似番組に変えてくれて、芸能人の物真似を見て諜太郎を笑った。うれしくなったがまだ少し落ち込んでいた。けれどお笑い番組の「爆笑レッドシアター」をずっと笑って見ていたので見た後、うれしくなってきた。昨日のことは忘れ始めていた。

 午後3時に野球の練習に行くと、みんなは怒っていなく普通に野球をしていた。監督もいつものように椅子に座りながら、選手を見ていた。誰も諜太郎に対して嫌な言葉や態度はなかった。諜太郎はチームメイトの優しさが、うれしかった。恩返しで次の3年間は連続優勝させると決心した。                

 「優勝!慶応大学が3年連続優勝しました。慶応の選手はとても強い!」NHKアナウンサーの藤本がコメントを入れていた。慶応大学は3年間ずっと全勝だった。エース、野手、監督はとても目立ったが、諜太郎は全然目立たなかった。本当はチームを支えていていたのが諜太郎だったが監督は諜太郎のおかげで優勝できたと言わなかった。なので諜太郎は、普通のファーストベースコーチだと思われていた。諜太郎は自分が活躍して、自分のチームが優勝できてうれしかった。大学の4年間みんなと楽しい思い出が出来てうれしかった。

 3月になって慶応大学の卒業の日が来た。諜太郎はまだ職が決まっていなかった。卒業式を終え野球部の部員とお別れし、監督に行った。監督は諜太郎の事を誇りに思うと言った。その後監督は諜太郎にプレゼントがあると言い、封筒を手渡した。封筒を開けるとアメリカ、ワシントン州のシアトル行きのチケットが入っていた。監督になぜシアトル行きのチケットをくれたか聞くと、監督はいまからお前はシアトルで働くんだと答えた。諜太郎はなぜシアトルで働かないといけないか知らなかった。どの会社で働くかと聞くと監督はシアトルマリナーズと答えた。その瞬間諜太郎は夢の中に居ると思った。諜太郎がイチロー選手に憧れて野球を始め、イチローが居るチームのマリナーズで働ける。初めはトイレ掃除などの仕事につくと思ったが、なんとファーストベースコーチとして働く事になっていた。選手と同じユニフォームを着て、一緒に野球をする。監督にお礼を言い、すぐに家に戻った。家まで走って帰った。いつもはきちんと脱いだ靴をそろえるが今日は靴を脱ぎ捨ててお母さんの元に走った。お母さんは諜太郎が、とてもうれしそうだったから、どうしたと聞いた。諜太郎はお母さんに話を言った。もうお母さんは働かなくていいんだよと言い、お母さんは泣き始めた。自分の息子が私の分まで働いてくれて、アメリカで住める事がうれしかった。

 22年間住んだアパートを引っ越し、洋服をトランクに入れアメリカに行く準備をした。成田空港に行きシアトル行きの飛行機に乗った。初めて飛行機に乗った、諜太郎とお母さんは興奮し始めた。席の目の前に小さなテレビがあった。映画を見た事が無かった諜太郎は、飛行機の中で放映された映画を全部見てしまった。一睡もせずシアトル空港に着いた。マリナーズの監督ドン・ワカマツが迎いに来てくれた。諜太郎の英語はまるでアメリカ人のように上手だった。学生の時の成績はAだった。ワカマツ監督のベンツに乗り新しい家に送ってくれた。荷物を家に降ろしすぐにシアトルマリナーズの野球場セーフコフィールドにつれて行ってくれた。そして諜太郎は慶応大学の時と同じ背番号の20を貰った。球場を案内してくれ、選手たちと挨拶した。選手たちはオープン戦を終えロッカーで着替えていた。イチロー選手と挨拶も出来た。案内を終えワカマツ監督は家までまた送ってくれて別れた。家に戻ると日本からの荷物が全部届いていた。荷物を全部箱から出し、部屋に設置した。気が付いたらもう夜の11時だった。すぐ別途に入って寝た。

 時差ぼけのせいで起きたのは11時だった。12時間も寝てしまった。タクシーでセーフコフィールドに行き球場に入った。その日は練習びだった。諜太郎も練習に参加した。やっとキャッチボールは出来るようになったが、フィールディングはとても下手だった。選手たちはなぜ諜太郎がファーストベースコーチになったか不思議に思った。練習後チームがみんなロッカールームで集まった。そこで諜太郎の才能を監督が選手たちに詳しく話した。そこで選手みんなが驚きで固まった。人間にそんな事が出来るのかと驚いたが、何人かはまだ信じていなかった。選手たちに一つ一つサインを教えた。もし盗塁のサインが出たら野手にこのサインを出すなどしゃべり始めた。選手たちはサインを覚え家に戻った。イチローが家に帰る直後に諜太郎はイチロー選手に野球ボールにサインをお願いした。イチローはボールにサインしてくれた。憧れていたイチローからサインボールを貰えてとてもうれしかった。大切のサインボールをボールケースに入れてカバンに入れて家に戻った。明日はシーズンの初試合。そこで諜太郎が自分の才能を発揮するチャンスだ。家に帰ってすぐにお母さんにサインボールを見せた。お母さんは良かったねと言い、ご飯を作り続けた。ボールを自分の部屋に飾り、パソコンを立ち上げた。マリナーズの公式ホームページで、マリナーズのメンバーが載っているセクションに行った。そこを見たとたんうれしすぎてベッドの上でぴょんぴょん飛び始めた。自分の名前がイチローと同じ場所にあった。それを見た後すぐパソコンの電源を消しご飯を食べベッドに入った。

 時差ぼけはすっかり治って諜太郎は8時に起きた。今日は1時からの試合だ。お母さんが作ったご飯と味噌汁を食べ、着替えて9時にお母さんと諜太郎は家を出た。中古で買ったトヨタのカローラに乗りセーフコフィールドに向かった。球場に9時半に着いた。お母さんはファースト側の席に座り、諜太郎はマリナーズのロッカーに行った。選手たちは何人か着替えていたがたくさん選手は居なかったのでまだみんな朝ご飯でも食べているのかなと思った。自分も背番号20のユニフォームを着て、スパイクを履いた。クローブを持ちフィールドに出た。選手たちはみんなストレッチやキャッチボールをしていた。ストレッチをした後サードベースコーチのマイク・ブラムリーとキャッチボールをして試合の準備をした。選手たちも準備を終え、試合が始まった。野手は守備位置に行き、ピッチャーは投げる準備し、諜太郎はベンチから監督を見る準備をした。だが諜太郎は監督が出すサインに追いつけなかった。監督が出すサインがとても早すぎた。相手のランナーが盗塁のサインを出されても、諜太郎は全然気づいていなかった。何個かサインを盗む事が出来たが、半分以上見逃してしまった。試合は勝てたが、そんなに活躍できなかった。選手たちは諜太郎の才能でサインを盗んだのか、たまたま運が良くて何度かサインを盗めたのかどちらなのか分からなかった。諜太郎は目力が弱いと思った。みんなロッカーに戻り諜太郎は着替えて早めに帰った。家に戻りすぐにパソコンを立ち上げた。ヤフーでどうやって目力を鍛えるか検索した。いろんなサイトに寄ると、目力が強い人は動くものがもっと遅く感じると書いてあった。諜太郎は目力が強くなれば、必ずサインも盗めると思った。目力のトレーニング法をサイトから複数取り、そのトレーニングを毎日2時間やると決めた。全く難しくないトレーニングで詰らなかったが、諜太郎は自分の為マリナーズの為にやった。1週間集中してトレーニングをやると決心して、監督に一週間休ませてくれと頼んだ。この一週間やる事は何にも無くなるから、毎日10時間やると決めた。寝る、食事、トイレ以外はずっと目力トレーニングをした。選手たちに必要となりたかった。一週間毎日同じ事を繰り返し最後の日を終えた。またマリナーズのファーストベースコーチとしてかんばる。諜太郎が居なかった7日では弱いマリナーズは1勝6敗とひどい成績を残していた。ロスンゼルスまでチームと飛行機で行きリグリーズフィールドまで行った。シーズンの初めからチームたちは落ち込んでいた。諜太郎はもしぼくが活躍して、勝利を沢山上げたらチームも落ち込まらなくなると思った。試合が始まりイチローが打席に入った。イチローが好きな外角に来るとサインを出し、初球から外角のボールを三遊間にヒットを打った。二番バッターのフィギンズは初球を待ち内角のボールが来るとサインを出し、ヒットを打った。次々ヒットを打ち三つアウトを取られたときは、もう7点取っていた。ピッチャーも順調で、相手は毎回盗塁失敗で試合は、19対1で勝った。選手のみんなが複数安打を打ち、諜太郎も活躍した。選手たちは諜太郎の才能を信じた。みんな明るくなってうれしそうだった。

 その日からマリナーズは信じられない成績を残した。2勝7敗で勝利率.222のひどい成績から65勝17敗.793と素晴らしい成績を残した。チームの半分以上の選手がオールスターに選ばれた。オールスターゲームでは、ほとんどの野手はマリナーズの濃紺色のユニフォームを着ていた。誰も諜太郎がチームを支えていたと知らないのでオールスターのファーストベースコーチとして選ばれなかった諜太郎は、オールスターゲームはテレビで見ていた。

 オールスターゲームが終わり、またシーズンが始まった。残り82試合で良い成績を残したいマリナーズは、いきなり弱くなり始めた。諜太郎はちゃんと仕事をしていたが、マリナーズの選手は余裕を持ち、気を抜き始めた。そして一ヶ月で11勝しか出せなかった。まだリーグで勝率は1位だったが勝率が.793から.710まで下がった。諜太郎は選手たちの力の無いプレイを見るのがあきれて、選手たちに怒った。お前たちがシーズンの前半みたいにプレイしなかったら、俺はこの仕事を辞めると怒鳴って家に帰った。本当はこの仕事をしたいが、選手たちの力の無いプレイを見ると嫌になった。努力してメジャーリーグ選手になった人たちが全然努力しないで遊んでいるみたいだった。諜太郎は明日の試合で選手たちは努力して野球をするかどうか楽しみだった。

 帰り道車の中ではずっと怒鳴っていて、怒っていた諜太郎だが家に着きお母さんの肉じゃがを食べると怒りが消えた。お母さんの料理がとてもおいしくてうれしくなり始めた。その後お母さん特製のケーキを食べて早く10時にベッドに入った。諜太郎は寝ようとしたがずっと悩んでいた。チームメイトがみんな僕の事嫌いになったかな、みんなぼくのためにがんばるかな、ファーストベースコーチを辞めないとだめかな。諜太郎はこれらをずっと考えているともう3時だった。5時間ずっとぶつぶつ考え事を言っていた。

 朝8時に起きてもまだ眠かった。早くベッドに入って寝たはずが5時間しか寝られなかった。朝ご飯を食べた後、ユンケルを飲みセーフコフィールドに行った。ユニフォームに着替えてフィールドに向かって走った。そこでは選手たちは練習に取り組んでいて、おしゃべりをしていなかった。試合が始まってみんなやる気を出していた。みんな良いプレイをしてバッティングも良かった。チームは14対3で勝った。またシアトルマリナーズは強くなり始めた。選手たちも頑張れば勝てると分かった。選手も久しぶりに勝ち大喜びだった。

 シーズンは終わった。選手たちはシーズンが終わるまでずっと努力し続け、メジャーリーグで一番高い勝利率を出して新記録を作った。マリナーズは126勝38敗で勝利率が.768だった。打率王、打点王、ホームラン王、盗塁王、三振王、防御率王、と勝利王はすべてマリナーズからの選手たちから来た。ワールドシリーズは絶対マリナーズが取るとみんなが思っていた。もしマリナーズがワールドシリーズで優勝するとマリナーズ史上初チャンピョンになる。

 ワールドシリーズで初めに対戦するチームはワイルドカードで出場した、ボストンレッドソックスだった。初めに4勝を上げたチームが勝ち進む。選手たちはワールドシリーズのチャンピョンになるためずっと頑張ったので諜太郎も頑張りたい気持ちはあった。一回戦は来週から始まる。レッドソックスはそれほど強くないチームだがマリナーズとの対戦は7勝5敗レッドソックスのほうが勝っている。けれども諦めないでマリナーズは頑張って練習に取り組んだ。

 レッドソックス対マリナーズの試合が始まった。ピッチャーの素晴らしいピッチングで9回無失点で抑えた。バッターは3点しか取れられなかったが、勝てて一安心だった。その後3試合連続勝ち次のシリーズに進んだ。マリナーズの勢いはもうとめられない。この流れではマリナーズは楽にワールドチャンピョンになれる。

 次はニューヨークヤンキースと対戦。ヤンキースはシーズン中100勝利を出して結構良い成績を出していた。ヤンキースとの対戦の一回戦は両チームが争って延長まで続いた。けれどヤンキースのアレックス・ロドリゲスがサヨナラホームランを打ち、大事な一回戦はヤンキースにゆずってしまった。けれどマリナーズは勢いに乗って次の4試合連続勝って、ヤンキースを4勝1敗でかちまた勝ち進んだ。アメリカンリーグのチャンピョンになりシャンペーンパーティーをしてみんな喜んでいた。チームのミーティングでは決勝の事を話していた。決勝相手チームのフィリーズは油断してはいけない。とても強いチームでマリナーズは頑張らないと勝てないとワカマツ監督は話していた。

 ついにワールドシリーズの一回戦が始まった。ワールドシリーズの決勝は今シーズンのチャンピョンのフィラデルフィアフィリーズとの対戦。相手選手にはいろんな一流選手が集まっている。スラッガーのライアン・ハワード、優秀な投手のロイ・ハラデーなどを撃ちくづさ無いと勝てない。マリナーズは初めの3試合を楽に勝てたがフィリーズはそれでチャンピョンを逃せない。次の3試合はフィリーズが勝った。最後の7回戦でチャンピョンが決まる。この試合もせっせんだった。最終回に一点差で勝っていたフィリーズはランナーを1人出してしまい、イチロー選手がさよならホームランを打った。この一打でマリナーズはチャンピョンとなり輝いた。ワールドシリーズのMVPを発表する時間が来た。諜太郎も誰がMVPになるか気になっていた。普通ワールドシリーズのMVPは選手が貰うのに今回は特別にファーストベースコーチの間ノ諜太郎がワールドシリーズMVPに選ばれた。ファンたちはなぜ諜太郎がMVPになったか分からない。これはマリナーズのだけの秘密となった。間ノ諜太郎はまさに活躍するサインを盗むスパイ。