詩 「金子みすずは光の不思議を知っていた?」


金子みすずは光の不思議を知っていた?
中村 茉菜


目に見える色は

光が通る

物質によって変わってくる

これは光の波の長さが違うから

波長の長い赤や橙は

大きな分子を通れば短い波長同様

いろんな方向に飛んでゆく

厚い大気を光が通れば

短い波長の光よりも通過する

昼間に空を見上げればよく見える

青を作る青い光のように

多く反射され、散乱される

金子みすずが感じたように

空の色は変化する

海の色もかもめの色も

空模様で違う衣をまとう

少し憂鬱な空の日は、雲のせいで

海もかもめも色あせる

晴れ晴れした日の

夕暮れには

赤や橙のペンキが

こぼれてにじんだように

空気中のゴミやホコリに声をかけて

見事に染まる

普段は生きのびた

青い色のグラデーションを

誇る海も

太陽の沈む刻には

顔を赤らめる

知っていること

思っていることの

不確かさ

光の不思議

金子みすずは知っていた